日本環境感染学会誌
Online ISSN : 1883-2407
Print ISSN : 1882-532X
ISSN-L : 1882-532X
原著論文
Clostridium difficile関連下痢症の再発と栄養状態との関連性
高塚 英和佐々山 太郎髙木 奈緒
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 25 巻 5 号 p. 272-276

詳細
抄録
  Clostridium difficile関連下痢症(CDAD)の治療上の問題は,その高い再発率である.再発は宿主側の要因が大きいとされており,再発と低アルブミン血症との関連性は報告されているが,その他の栄養指標との関連性について検討した報告はない.そこで,今回我々はCDAD再発と栄養状態との関連性について検討した.2006年7月から2008年2月の期間に,CDADと診断された連続症例26名(単回群13例;年齢〔mean±SE〕81±3歳,再発群13例;80±3歳)における血清アルブミン値(Alb),血清コリンエステラーゼ値(ChE),血清総コレステロール値,総リンパ球数の各栄養指標の経時的推移を観察した.その結果,両群間で初回発症時の各栄養指標に明らかな違いは見いだせなかった.再発群では初回発症日から30±5日後に再発し,再発時にはAlb及びChEのみが有意に低下していた(Alb: 2.9±0.2 vs. 2.5±0.1 g/dL, p<0.05; ChE: 134±17 vs. 103±13 IU/L, p<0.05).一方,単回群では30日後のAlb, ChEに低下は認められなかった.以上より,CDAD初回発症後のAlb及びChEという栄養指標の低下が,CDAD再発と関連している可能性が示唆された.
著者関連情報
© 2010 一般社団法人 日本環境感染学会
前の記事 次の記事
feedback
Top